捨てられる食べ物と、必要な人に届かない食べ物
食べ物が捨てられてしまう理由
まだ食べられる物であっても、以下のような様々な理由によって、多くの食べ物が捨てられてしまっています。
- 包装状況の問題:缶詰のへこみ、段ボール箱の破損など
- 規格外品など表示ミスの問題:賞味期限の印字不備、法律で定められた表記事項の誤りなど
- 期間限定商品の在庫の問題:商品が売れ残り、在庫を抱えてしまったなど
- 特売品の在庫の問題:特売や催事の終了により、商品の在庫を抱えてしまったなど
- 店頭商品の賞味期限の問題:商品の回転が遅く、賞味期限が迫ってきたなど
- 店頭商品の発売終了の問題:商品が終売となり、定番からカットされてしまったなど
- 定番商品の在庫の問題:倉庫に在庫を抱え過ぎて、賞味期限が迫ってきたなど
- 予定外の生産や不良品の問題:野菜の収穫が予想外に多かった、規格外品が大量に出たなど
- 防災備蓄品の問題:防災用として備蓄していた食品の賞味期限が迫ってきたなど
- 催事用食品の問題:展示会・イベント・試食・サンプリング・スポーツ大会等で飲食品が余ったなど
- 「3分の1ルール」の問題:スーパーマーケットなどで決められた「3分の1ルール」にそぐわないなど
日本で廃棄される食べ物の量
日本は食料自給率が低く、カロリーベースで39%と言われています。
その多くを輸入に頼る一方、1788万トンの食料を廃棄しています(農林水産省調べ)。
また、農林水産省が2012年に発表した日本の食品ロスの年間総量は、500〜800万トン。年間のコメ生産量が839万トンなので、それと同じくらいの割合です。
そのうち、家庭から出る食品ロスが200〜400万トン、事業者(企業など)から出る食品ロスが300〜400万トンです。
食べ物が足りていない現状
日本は先進国にも関わらず、約2000万人の方が、貧困線以下で暮らしています。
これは、日本全体でみると、6人に1人の割合です。
フードバンクとは
フードバンクは「食料の銀行」を意味します。まだ食べられるにもかからわず、さまざまな理由で処分されてしまう食品を、それらを必要としている施設や人々に届ける活動のことです。
フードバンクで扱える食品・扱えない食品
加工食品の場合、賞味期限が1ヶ月以上のものをお受けしています。
フードバンクでは、ただ食べ物を右から左へ横流しするのではなく、必要なものを必要な数だけ必要なところへお渡しします(マッチング)。
そのマッチングのために必要な時間や、賞味期限内に確実に、きちんと使っていただくため、一定の賞味期限に関するルールが設けられています。(生鮮食品はこの限りではない)
支援者と受益者をつなぐフードバンク
フードバンクとは、余ってしまった食べ物を持つ人と、食べ物に困っている人をつなぐ活動(食べ物のミスマッチの仲介役)のことです。
余っている食べ物を持っている支援者の方と、食べ物を必要としている受益者の方とをつなぐ役割を担っています。
フードバンクのメリット
フードバンクを活用することは、受益者・支援者だけではなく、行政にもメリットがあります。
受益者
食費の節約
食に関する喜び・体験
心身の充足感
支援者
廃棄コスト削減
環境負荷削減
従業員の士気高揚
社会貢献活動の実施
行政
食品ロスの削減
財政負担の低減
地域活性化